彼氏の上手なつくりか譚
25>>屋上に呼び出すべし。
カイエンくんが去ってから、私は真奈に顔を隠してもらって、女子トイレに入った。
それから、女子トイレの鏡を見ながら、カイエンくんの書いた電話番号を解読し、スマホに打ち込んだ。
「なかなか破天荒よね。顔に電話番号書くって発想はさすがになかったわ」
女子トイレの個室に入った真奈が言った。
「感心しないでよ! これ、油性だよ? ああ、とれるかな……」
ハンカチを濡らして、頬をこすってみた。
痛い。頬が赤くなった。
その赤くなった頬を鏡で見て、カイエンくんのあのニヤケ顔を思い出し、また腹が立った。
女の子の顔に油性ペンで落書き……。
カルチャーショックを受けたよ、私は。