彼氏の上手なつくりか譚
「と、とりあえず落ち着きましょう! 金魚を飲むと落ち着……じゃなかった、あ、えっと、何でもありません! とりあえず、とりあえず、どうにかして落ち着いてください!」
「私は落ち着いてます」
あ、そうだった。淡々と話してたし、落ち着いてないのは私の方だった。
「じゃあ、考え直してください! 死んだら痛いですし、苦しいですよ? それに周りの友達とかも悲しみますよ!」
「病気で死ぬことだって同じことです。それに私には友人はいません。孤独なんです。そんな私が死んだところで、悲しむ人なんて、いません」
あーあ、地雷踏んじゃった。もうなんかこの人に私が何言っても、死ぬ決意を固めさせるだけだ。