彼氏の上手なつくりか譚





「ふう。たくさんお話ししましたね」


ヒトミさんに言われ、ふと時計を見ると、23時を過ぎていた。


「まあ大変! 理沙さんは高校生でしたよね」


「あ、いえ、ヒトミさんこそ大丈夫ですか?」


「私は明日、昼から1コマだけなので、大丈夫です!」


「……あの、1コマって何分ですか?」


「90分です」


大学生羨ましい! 一日90分、しかも昼から登校の日があるなんて……。


「あーあ、私も早く大学生になりたいです」


「それならうちの大学に来ませんか? そしたらキャンパスで会えますし」


「おー! いいですね! あ、でも、私でも行けますかね? 私、あんまり勉強得意じゃないので……」


「あのー、よかったら私が受験の時に使っていた赤本や参考書など差し上げましょうか?」


「ホントですか!?」


「もちろんです! 何なら勉強も見ますよ! 友達ですから!」




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