彼氏の上手なつくりか譚
「あ、理沙さんも何か頼みなよ」
フォークを咥えた男の子に、メニューを手渡された。
「あ、どうも……」
メニューを開いて、今一度彼(または彼女)の顔を盗み見る。
わ、わっかんない。でも、声は違うってことは確か。
じゃあ、彼(または彼女)はヒトミさんじゃない? でも、この人、「ヒトミです」って言ってたし、それに私のこと、山田理沙だって知ってたし。
あー、もう、頭がこんがらがって、パンクしそう!