彼氏の上手なつくりか譚





早希さんはドリンクバーを注文して、紅茶でも注いでくるのかと思ってたら、得体のしれない飲み物を注いで、嬉しそうに戻ってきた。


「それ、ホントにドリンクバーで注いできたものですか?」


「はい! メロンソーダとコーラとオレンジジュースをミックスさせてみました! 私、ドリンクバーって初めてで、こういうの一度やってみたかったんです!」


まあ、初めてならいっか。


でも、それって美味しいのかな……あ、飲んだ。顔は……わあ、幸せそう。ってことは、美味しいんだ。今度やってみよ。


ドリンクを飲んで、フーッと息をついた早希さんは、何も言わずに私の顔をじーっと、穴が開くほど見てきた。


「あの、何かついてます?」


「いえ、電話で話した理沙さんがどんな人かイメージしてきたんですけど、想像通り、可愛らしい人ですね!」


え? 私、可愛い? やだこの人、お上手! って、私ゃおばさんか!




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