彼氏の上手なつくりか譚





中越くんが話があることを早希さんに伝えると、早希さんは一瞬、動揺したけど、頬をパンパンと2回叩いて、応じる返事をした。


その条件として、私もその会に同席することを提示してきた。


「正直、不安なんです。もし、きっぱり正式に断られたら、私は多分、ダメになっちゃいます。その時は、理沙さんに慰めてもらいたいんです……」


いや、気持ちはわかるけど、だからって私が弁護士みたいに立ち会う必要はないんじゃないかと思った。


それを伝えると、早希さんは、


「理沙さんがいてくれたら心強いんです! いろんな助言とかしてくれそうですし……」


と言った。


そこまで信用してくれることは嬉しいけど、期待されては困る。


私は誰かに助言できるような人間じゃないし、何より気まずい雰囲気というものが嫌いだ。


……はあ、こんなことなら出しゃばらなきゃよかった。


ちょっと後悔。




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