彼氏の上手なつくりか譚





早希さんもドリンクバーを注文して、私はウーロン茶、早希さんはリンゴジュースを注いだ。


早希さんって意外と子供っぽいところがあるのかもしれない。


「理沙さん、慎太郎くんは来るでしょうか……」


グラスに入ったリンゴジュースを見つめながら、早希さんが心配そうに聞いた。


時計を見ると、私がファミレスに来てからもう20分も経っていて、遅いと言えば遅いけど、来ないんじゃないかと心配するほど、時間が経っているわけでもなかった。


でも、早希さんの待ち時間と心の余裕を考えると、心配になるのは無理もない。


「大丈夫ですよ。中越くんならきっと来ます。彼はちょっとドライなところありますけど、約束だけはちゃんと守ってくれる人ですから」


「え?」早希さんが驚いたように顔を上げた。


「理沙さん、慎太郎くんと仲良いんですか?」




< 431 / 525 >

この作品をシェア

pagetop