彼氏の上手なつくりか譚
早希さんもドリンクバーを注文して、私はウーロン茶、早希さんはリンゴジュースを注いだ。
早希さんって意外と子供っぽいところがあるのかもしれない。
「理沙さん、慎太郎くんは来るでしょうか……」
グラスに入ったリンゴジュースを見つめながら、早希さんが心配そうに聞いた。
時計を見ると、私がファミレスに来てからもう20分も経っていて、遅いと言えば遅いけど、来ないんじゃないかと心配するほど、時間が経っているわけでもなかった。
でも、早希さんの待ち時間と心の余裕を考えると、心配になるのは無理もない。
「大丈夫ですよ。中越くんならきっと来ます。彼はちょっとドライなところありますけど、約束だけはちゃんと守ってくれる人ですから」
「え?」早希さんが驚いたように顔を上げた。
「理沙さん、慎太郎くんと仲良いんですか?」