彼氏の上手なつくりか譚





チャイムが鳴って、サッカー部のキャプテンらしき人が、


「上川、練習始めっぞー?」


と集合の合図をかけた。


「じゃあ、部活終わったらLINEするから!」


と言って、喋る機関銃は、ボールを蹴りながらサッカー部の輪の中に戻った。


「ごめん。顔は悪くないんだけど、性格がチャラくてさ……。でも、まさかここまでとは正直思わなかったわ。ホント、ごめん!」


「まあでも、悪い人じゃなさそうだよね……はははっ」


頭を下げる親友に対する、私の中の最大限のフォローだった。




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