彼氏の上手なつくりか譚
私はカイエンくんにすべてを話すことにした。
早希さんが自殺の手伝いをして欲しいと私に持ちかけてきたこと、友達になって、ファミレスで会ったこと、自殺の原因は付き合っていた中越くんに振られたこと、そして、ファミレスで再会して、よりを戻すことになったことまで全部話した。
どうしてそんなことをカイエンくんに話したのか、自分でもわからなかった。
「ふーん。つまり、オレが間違ってると。そう言いたいのか?」
まあ、遠回しに言えばそうかもしれない。
私の頷きを見たカイエンくんは、舌打ちをして、制服の内ポケットからケータイを取り出した。
……まさかのガラケー。え? 嘘でしょ? お年寄りでもスマホを使っているこのご時世に、ガラケーって……。
「あー、そういえば去年、番号変えたんだったっけ」
そう悪びれもせず、カイエンくんはサラッと言った。
やっぱり、そんなことだろうと思った。