彼氏の上手なつくりか譚
「学園祭、一緒に回るか?」
突然のことで、私は耳を疑って聞き返した。
「嫌ならいいんだ。先約もあるだろうし。ただ、つまんない学園祭が理沙と一緒なら、楽しくなるかなって思っただけだから」
別に嫌じゃない。むしろ光栄なことだ。
でも、どんなに嬉しいことでも、寒いフラッシュモブみたいに、何のタイミングもなしに、いきなりやって来られると、どうしても戸惑いとか、ちょっとした恐怖の方が勝ってしまう。