彼氏の上手なつくりか譚





岡本さんにお礼を言って、仕事の引き継ぎをしてから、私はカイエンくんのいるチュDスへ向かった。


「いらっしゃ……って、なんだ。理沙か」


カイエンくんはなぜかタキシードを着ていて、廊下側の窓で作ったテイクアウトコーナーの中にいた。


「なんだとは何ですか! 一緒に学園祭回るって約束したから、こうして来たんじゃないですか! わざわざシフトまで合わせて……」


「あー、そのことなんだけど、ごめん。交代する予定だった奴がインフルで休んでて、もう1時間店番することになったんだ」


「そ、そうですか……それは仕方ありませんね」


「でさー、悪いんだけど、どこかで時間潰しててくれないか? 終わったら連絡するから」


「わかりました。店番、頑張ってくださいね!」


「ああ、頑張る。ありがとう」




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