彼氏の上手なつくりか譚





……とは言ったものの。


一人でどこでどうやって時間を潰せばいいのやら……。


とりあえず、いろいろ歩き回ってはいるけれど、周りはみんな2人以上で行動している。


私みたいに一人で歩いてる人は……。


あ! いた! あ、でもあれ先生だ。


先生と私くらいか……。


なんかこうして一人で歩いていると、まるで世界から疎外された気分になって、惨めに感じる。


でも、これは永遠じゃない。待てばいい。


あと1時間待てば、この惨めな世界は終わりを迎える。


1時間。60分。授業プラス休み時間ってところだ。


そう考えると、なんだいつもやってることじゃないかってことに気づく。


もっとポジティブに捉えよう。そうだ、カイエンくんと2人では行けそうにないところに行けばいいじゃないか。甘いものを売っているところとか。


何なら、店番を頑張ったカイエンくんにご褒美を買う時間にすればいい。


カイエンくん、何をもらったら喜ぶかな……。




< 491 / 525 >

この作品をシェア

pagetop