彼氏の上手なつくりか譚
……とは言ったものの。
一人でどこでどうやって時間を潰せばいいのやら……。
とりあえず、いろいろ歩き回ってはいるけれど、周りはみんな2人以上で行動している。
私みたいに一人で歩いてる人は……。
あ! いた! あ、でもあれ先生だ。
先生と私くらいか……。
なんかこうして一人で歩いていると、まるで世界から疎外された気分になって、惨めに感じる。
でも、これは永遠じゃない。待てばいい。
あと1時間待てば、この惨めな世界は終わりを迎える。
1時間。60分。授業プラス休み時間ってところだ。
そう考えると、なんだいつもやってることじゃないかってことに気づく。
もっとポジティブに捉えよう。そうだ、カイエンくんと2人では行けそうにないところに行けばいいじゃないか。甘いものを売っているところとか。
何なら、店番を頑張ったカイエンくんにご褒美を買う時間にすればいい。
カイエンくん、何をもらったら喜ぶかな……。