彼氏の上手なつくりか譚
「え?」とカイエンくんが立ち止まった。
「それってどういう……」
「どうでもいいじゃないですか、そんなこと」私はあえて遮った。
「私はカイエンくんと一緒にいるのが楽しいんです。カイエンくんはどうですか?」
「そりゃ、オレだって理沙と一緒にいると楽しいよ」
「だったら、それでいいじゃないですか。その後の私たちの関係がどうなっても、それだけは変わらないことだと思います」
告白とか、付き合ってなんて言葉はいらない。
一緒にいたいから、一緒にいる。
今まで通り、毎日電話して、たまにはこうやって一緒に並んで歩いて、笑い合うだけ。
ただ、それだけの関係をずっと、ずっと続けていくだけ……。