彼氏の上手なつくりか譚
とりあえず、真奈のところに戻ることにした。
一人でダメなら、二人で。二人ならなんとかなるかもしれない。
しかも、その協力者が私よりもしっかりしていたら、尚更。
……認めたくなかったけど、私って自立できていないんだよね。
私なんかがいるせいで、真奈は昨日の放課後を無駄にしてしまった。
中学3年、高校3年。足して6年。
人生でたった6年しか訪れない中の貴重な1日を私なんかに。
真奈は親友。親友だからこそ、余計な心配をかけなくてもいいように、この恋愛を通して私自身変わるんだ。
やってやる! 変わってやる!
そう新たな決意を胸にしたその時、
「ニャーオン」
猫なで声が聞こえてきた。