彼氏の上手なつくりか譚





とりあえず、真奈のところに戻ることにした。


一人でダメなら、二人で。二人ならなんとかなるかもしれない。


しかも、その協力者が私よりもしっかりしていたら、尚更。


……認めたくなかったけど、私って自立できていないんだよね。


私なんかがいるせいで、真奈は昨日の放課後を無駄にしてしまった。


中学3年、高校3年。足して6年。


人生でたった6年しか訪れない中の貴重な1日を私なんかに。


真奈は親友。親友だからこそ、余計な心配をかけなくてもいいように、この恋愛を通して私自身変わるんだ。


やってやる! 変わってやる!


そう新たな決意を胸にしたその時、


「ニャーオン」


猫なで声が聞こえてきた。




< 55 / 525 >

この作品をシェア

pagetop