彼氏の上手なつくりか譚





「聞いているのか?」


彼の目がより鋭くなる。


今にも私に殴りかかってきそうな顔。柔道とか強そうな顔。気に入らねえやつ、木刀でシメっぞ! の顔。


「な、なんか、すんませんでしたぁぁ!」


彼の殺気ある顔に思わず頭を下げた。


自分でもわけがわからなかったけど、こういう時はとりあえず頭を下げる。


これが、教室の隅っ子の性。




< 58 / 525 >

この作品をシェア

pagetop