彼氏の上手なつくりか譚
「ありがとう。リヴィエールを見つけてくれて」
「あ、いえ。その猫、リヴィエールって言うんですか? なんか、変わった名前ですね」
「よく言われるんだ。ホントは、サン・テグジュペリにしたかったんだけど、ほら、彼。飛行機事故に遭うでしょ? なんか縁起悪くって」
「サン・テグジュペリ? サン・テグジュペリって、『星の王子さま』の?」
「まさか、キミ……」彼が私にずいっと間合いを詰めてきた。
「知ってるの? サン・テグジュペリ」
「まあ、名前くらいは……」
彼の目がキラキラと輝いた。