彼氏の上手なつくりか譚
既読のマークがついた。私は慌ててスマホを閉じた。
早い。
返信が来るとはとても思えない文面なのに。
このままトーク画面を開いたままにしておくと、中越くんに返信を待ち望んでいる女みたいに思われてしまう。
別にいいのかもしれないけど、それはなんか嫌だった。
スマホがぶるっと震えた。
嘘? 返信? と思い、トーク画面を開く。
すると、中越くんから、猫のイラストで、「ありがとにゃー!」と文字の書かれたスタンプが送られてきた。
……中越くん、スタンプとか使うんだ。
と思っていたらすかさず、
『あの猫があんたにそう言ってた』
とメッセージ。