愛してるからこそ手放す恋もある

営業部のドアを開けると、またしても怒鳴り声が聞こえてくる。

ここ営業部は大きな部屋に一課から五課までが一緒になっており、各課毎に島でわかれている。

「はぁ…」

ここにはあの人を諌める人は居ないのか?

「だからなんど言ったら分かるんだね!?私は猫舌なんだよ!熱いと飲めないだろ!?君はお茶の一杯も入れれないのか!?」

何を怒ってるかと思えば、お茶が熱いだなんだと…
ほうじ茶なんだから熱い湯で煎れるのは当然なんだよ!
熱いのが苦手なら、冷ましてから飲め!

私は怒りを露にしてる坂下さんのもとへと進んで行く。

「そんなに熱いなら、私がフーフーしてさしあげましょうか?」とにっこり笑って嫌味を言ってやる。

「坂下さんはパワハラやセクハラって言葉をご存知ですか?もうその辺で止めて頂かないとパワハラで訴えますよ?」

これは注意じゃなくもう警告だ!

「なっなんだね!?こんな事でパワハラとは!?私はただお茶の煎れ方をだね?」

充分パワハラなんだよ!!机上の湯のみを見ると湯気は出ていないように見える。「失礼します」と湯飲みを触ると既に覚めていた。

どれだけ怒り続けてたのよ!?




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