愛してるからこそ手放す恋もある
恥ずかしく、どこかくすぐったい私は苦笑して急ぎ営業部を出る。
エレベーターへと向かってると後方から声がかかった。
「佐伯さん?」
「はい?」
振り向けば営業部の近藤さんがいた。
「今夜どうかな?」
今夜か…スマホのスケジュールを確認する。
「今夜ですよね?19時30分なら大丈夫です」
「じゃ、19時30分に!楽しみにしてる!」
「はい、私も楽しみにしてます」
スマホに19時30分と予定を入れ、エレベーターのボタンを押す。
エレベーターのドアが開き降りてきたのは営業の久野さんだった。
「やぁ?佐伯さん、今夜5時30分で大丈夫だよね?」
「はい!」
「楽しみにしてるよ?」
「はい、私も楽しみにしてます」
軽く挨拶をしてエレベーターに乗り込んだ。