愛してるからこそ手放す恋もある

田附社長はまだ若く、田附園上層部の中には未だに異議を唱える声が有ると噂がある。

そんな声を払拭する為もあるのか、田附社長自ら営業にも出てると噂に聞く。今回も社長自らアポを申し込んで来られた。

「当社の営業の話だと…以前、当社から取引を申し込んだ際、門前払いさらたと聞いてますが?その田附園さん…社長が自らお越しいただくとは…?本日はどのようなご用件でしょうか?」

小野田さんの問いかけに、冷や汗をかき、更に緊張する田附社長。

営業の話では、以前何度か取引のお願いにうかがってるらしい。

「…はい…その節はうちのものが大変失礼致しました。検討することもなく、一方的にお断りして…
ですが、これからは古い考えに固執して間口を閉ざしていてはいけないと思いまして…」

「お父様のご意見は?」

「父は引退しております。今は私が…」

「そうですか…」




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