愛してるからこそ手放す恋もある

何をされるかと身構えていると、小野田さんは「あぁ、疲れた!」と、私の隣へ寝転んだ。

なんだか、肩透かしを食らった気分だ。

「いまちょっと期待しただろ?」

「してません!」

「それより部屋まで用意させる必要あります!?」

抗議する私の頬へ小野田さんの手が触れた
そして顔が近づいて…
軽く触れる唇…

えっ!?
キスした?今、キスしたよね!?

「何て顔してんだよ?」

「何て顔って驚いてんですよ!いっ今、キスしましたよね?」

どうしてかわからないけど
凄くドキドキした。

「え?ダメだった?してほしそうだったから?」

「ダ、ダメに決まってるでしょ!セクハラです!」

「深い意味無いから気にするな。ただのお礼だ!さっきはありがとな?」

ただの礼…
その言葉に傷ついている自分がいる。
なぜ…


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