愛してるからこそ手放す恋もある
はぁ…急いだつもりだったが…
結局遅刻だわ…
今朝ホテルで目を覚ました私達は、急ぎタクシーに乗り会社へと向かった。
そして会社のエントランス前でタクシーを降りたとたん私への冷たい視線と、小野田さんへの熱い視線が注がれた。
はぁ…
頑張れ!わたし!
誰からなんと言われようが
私は私!
ただ私に出来る事をするだけ!
出社こそ少し遅れはしたが、何時ものように仕事をこなしていると、昼休憩のチャイムがなった。
「ボスお昼どうします?」
いつもお弁当を用意していたが、今日はホテルから直接出社したためお弁当を用意することが出来なかった。
「たまには社食でも食べるか?」
嘘っ…
「えっ?食堂で良いんですか!?」
「仕方ないだろ?弁当がないなら?」
「そうですけど…誰が作ったか分かりませんよ?」
以前までは、私も食堂で食べていたから構わないけど、ボスは…
「なんだ?食堂で働いてる人間は毒を盛るような怪しい人間なのか?」
「いえいえ、そんなことないです!いつもバランスの考えられた美味しい食事を作ってくれてますよ!」
「じゃ、問題ないだろ?」
まぁそうだけど…良いのかな?
まぁボスが行くと言うんのだから、これ以上、私が止める理由もなく、セクハラ暴言だけは控えるようにお願いして、一緒に食堂へ向かった。
「あれ?梨華先輩!」
「あっ優華ちゃんも今日は食堂?」
「はい。あの…こちらの方…」
「うん。COOに就任された小野田さんだよ」
「梨華?」
「あっ、このこは一緒の…」