愛してるからこそ手放す恋もある
ボスへ紹介しようと思ったら、優華ちゃんは自ら名乗り、挨拶をした。
「梨華先輩と同じ部署の佐々木優華です!宜しくお願いします!あっそれと、COOだか、なんだか知らないけど、いくら偉いからって、あまり梨華先輩の事、いじめる様な事しないで下さいね!?」
えええっ!優華ちゃん何言い出すの!?
優華ちゃんの言葉に、私だけじゃなく小野田さんも驚いていた。
「苛める?」
「梨華先輩はただでさえ忙しいのに、COOの秘書だなんて?菱野部長、あっ今は菱野専務でしたね!?ホント何考えてるんだか!?梨華先輩の事、サイボーグかなにかと間違えてませんかね!?ちゃんと心も有るんですからね!?」
「梨華、なにか無理してるのか?」
「いえいえ…ボスが気にする程の事は何も…」
「だから!心があるって言ってるん、です!!」
「…優華ちゃんありがとう…大丈夫だから…」
「大丈夫じゃないですよ!お助けBOXの事だって…」
「あっ優華ちゃん!後で部屋(部署)に行くから!その時に話そう?」
「分かりました」
ほっ…聞き入れてくれて良かった…
優華ちゃんが心配してくれるのは有難い。
でも、私にやれる事をやるだけなの…
私は小野田さんの秘書ではあるが、部署は以前と変わらず、いまだに、以前の仕事もしている。
ただ、小野田さんの秘書になって、他の部署からの風当たりが強くなったのは間違いない。
現に、お助けBOXは、本来の役目を果たさず、ほぼ、私への誹謗中傷でゴミ箱状態になってる。
「さぁ!ボス何食べましょうか?今日のランチは…」
『キャーみてみて!COOの小野田さんよ?』
あちこちから黄色い喜声があがり、そして一斉に化粧直しを始める女性陣。
これはヤバイぞ…
「臭い!」
でた…
「ここは食堂じゃないのか?」
勿論、食堂でごさいますとも!
でも、あなたのお眼鏡に叶おうと思う女心をわかってあげましょう?