愛してるからこそ手放す恋もある

ボスの歓迎会と言う名の、ボスによる親睦会も終わりに近づき、ボスは私を側に呼んだ。

やっと終わる？
マジ疲れた…

「この場を借りて皆さんに報告しておきます。私達は婚約しました」

！？！？…
ボス！！なっなに考えてるの！？

ボスはみんなの前で宣言し、私の腰を抱き引き寄せた。
そして近づいてくるボスの顔。

え？え？…ちょ、ちょっと近くない？
めっちゃ至近距離です！！
こんな場で…なにをされるの私…
近づくボスに思わず顔を背けると顎を捕まれ
「目をつぶれ」と囁かれ、そして"早くしろ"と睨みを効かせる。

ヤバイっ
毛穴…
鼻のてかり…

さっき化粧直ししたから大丈夫？
え？私…こんなときになに考えてるの？
今、そんなこと考えてる場合じゃないじゃん！

「ボス？」

「黙ってろ！」

そしてみんなの前でキスをした。

女性社員からあがる悲鳴。

「婚約したからと言って、仕事にプライベートは持ち込まない！」

「ただ今後、梨華に不快な行為や、誹謗中傷をし、会社の利益にならないと判断した社員は私の権限で、首を切らせて頂きます。そのつもりで頂きたい！」

それ思いっきり、プライベート持ち込んでますやん！
まぁ実際は婚約してませんけど！

そして多くの社員は響動めいた。