愛してるからこそ手放す恋もある
マンションへ着くと、勿論、ボスの部屋へ帰ると思っていたが、ボスは私の部屋へ行きたいと言う。
「え?私の部屋ですか?」
「ダメか?他の男は入れても俺は入れれないか?」
??
他の男って誰の事…?
何でそんなに機嫌が悪いの?
そう言えば空港でも、一度も目を会わせてない気がする。
本社で何かあった?
それとも私が何かした?
「いえ、入っていただいても構いませんが、お疲れなら御自分の部屋のベットで休まれた方が?」
だが、ボスは「構わん!」とぶっきらぼうに言った。
機嫌の悪い理由は話したくないと言う訳ですね?
そうですか!
私は鍵を開けるとドアを開け「どうぞ!」と言う。
するとボスは無言のままズカズカと部屋に入り、全ての扉を開け、浴室、洗面所、洗面所は、歯ブラシの置いてある棚まで開け、そしてトイレまで見て回った。
「ボスは何がしたいんですか!?御自分が留守にしてる間、部下がなにか不正してないか粗捜しするのがアメリカ本社の方のやり方ですか!?」
だが、私の問いに答えること無く、寝室に入ると部屋を見渡し、クローゼットの中まで何かを探すように確認して、ベットへ私を押し倒した。
「なぜ祐司を入れた!?祐司とどういう関係だ!?」
私の体を押さえる手は震え、彼の切なそうな瞳は、怒りではなく彼の不安を語っていた。
「もしかして、菱野専務との間を疑ってます?」
なにも言わず、ただ下唇を噛む彼に「私は誰も裏切りませんよ?」と彼にキスをする。
「梨華…」
不安そうに呼ぶと熱い彼の舌が私の物と絡み付き、互いの熱を伝えあう。
身体中が溶けてしまいそうなキスに思わず我を忘れそうになる。
スカートを捲りショーツの中へ忍び入る彼の指。
「もう濡れてるな?良いよな?」と言って私の返事を聞かずにストッキングをいつもの様に破りショーツを剥ぎ取った。そしてスカートのファスナーへと手がのびる。
…!?
私は首を降り「嫌!ダメ!」と拒んだ。