私を救ってくれたのは君でした。
「俺は、いつ死ぬかわからない。自分で死を選択出来ないんだ」

「それはそうよ、死は突然と訪れる」

「ほら、言ったろ?死は突然と訪れる。死を選択することは出来ないんだ。自分で死ぬという選択肢以外」

「!」

「けどな、お前はまだ生きれる、生きなくてはいけないんだ!」

「鶴谷、くん」

やばい、涙止まんない。

「けどね、殺された被害者は、殺されるためにうまれてくるわけではない」

「え?」

「容疑者を改心させるために生まれてきたんだ」

「改心……」

「そう」

「総長、あなたって人は、本当にお優しい。誰も見習いたくても見習えませんよ、人のために善行を成し遂げる鶴谷さんのことを」

川鷺さんは、ポロポロと涙を流す。

「川鷺さん?」

川鷺さんが抑えていた不良達が、疑問に思ったのか名前を発した。
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