私を救ってくれたのは君でした。
「じゃあ、これかぶれ」

「え?」

私は鶴谷くんにヘルメットを貰った。

「俺様がバイクで送ってやるから」

「いやいやいやいや!怖いって!」

「まぁいいから、乗れ!」

「ま、まだ死にたくない〜!」

「!」

「!」

私も、もちろん鶴谷くんも驚いたであろう。

今、私の口から出た言葉は、『生きたい』と言っていることと何ら変わらないからだ。
やっぱり、私は心の奥底で行きたがっているのだろうか?
『まだ死にたくない』これは、生きたがっている人がいう言葉だから。

「やっぱ、人間も所詮は生き物。生きたがるものなんだよ」

鶴谷くんはそう言って笑う。

かっこいいな。

「じゃあ、行っくぜぇー!」

「あぁー!待ってー!」

ブロロロロッ!

すると、鶴谷くんのバイクは勢い良く走り出した。

「っていうか!鶴谷くん無免許?!」

「え、そうだけど」

「やばくない?警察にみつかったら」

「大丈夫☆サツにはみつからない速さで行くから!」

「それもっとやばいって〜」

「ははっ!行っくぜ!」
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