私を救ってくれたのは君でした。
〜次の日〜

ピーンポーン

私は慌てて出た。

「おはよ」

そこにいたのは、鶴谷くんだった。

「今日はさ、一緒にどっか行こうと思って」

「え……どこに?」

「公園とかは、どうだ?」

「え、そんな人のいるところに?」

「怖いか?」

「うん…私休日は家の中にいるから。それに、なるべく人とは関わりたくないの」

「そうか」

少し手が震えているのがわかる。
未だに怖いのか、私。

「行ってみよう」

「えっ……」

「変わるには、行動に移さんとなにも変われない。まずは人に慣れよう?」

「……やだよ」

「俺もいるから!」

「怖いの、人に見られるのが。人と目も合わせたくない。親子も見たくない、幼児もみたくない、なにもみたくないの」

「……俺がいる、大丈夫、俺がいるから」

「そういう問題じゃないの、嬉しいよ、その気持ちは…けどね、これはトラウマなの」

「変えてかないと、なにも変わらないんだよ?」

「変わるのが、怖いの」

「なにも怖がることはない」

「あなたにはわからない!」

「わかる!」

「なにがわかるっていうの!?」

「天宮が怖いのは生き物、生きること。俺が怖いのは、死。いいじゃねぇか、お互い様だぜ?」

「私は、母子家庭で育ったの。だから、幸せそうな親子が憎い、怖い」

「だったら克服しようぜ?な?」

「・・・無理よ!」

「ちっ!グダグダうるせーな!行くぞ!」

「や、やだ!」

「無理矢理連れてくからな!」

「やだよー!」
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