私を救ってくれたのは君でした。
「川鷺さん!」

「なんだぁ?」

「川鷺さんは知ってたんですか?!総長が余命宣告されていたことに!」

「あぁ。知っていたさ」

「良かったですね、これで邪魔な鶴谷はいなくなりますね!これで、やっと川鷺さんの時代が……!」

「ふんっ」

「いやぁ、あんな年下に総長やられて命令きくなんて最悪の気分でしたもん。はやく死にませんかね、鶴谷。あいつ力は誰にも負けないですもん、だから死んでくれてラッキーですね、本当!!」

「・・・」


「よし最後だよ!これは記号問題、さぁどれ?」

「えーと、これはウ!」

「正解は……ウ!正解だよ鶴谷くん!」

「いよっしゃー!」

「ふふっ、あ、鶴谷くん」

「ん?」

「明日はどこいく?」

「どうしよっか」

「私はどこでもいいよ!」

「んじゃあさ、ここ行こうぜ!前からいきたかったんだよな〜」

「ここって、スイーツ……もしかして鶴谷くんって、スイーツ男子?」

「わ、わりーかよ」

「いや全然!私も甘いもの好きだし」

「良かった〜、じゃあここで決まりだな。明日また俺が迎えに行くよ」

「ありがとう」

「もうそろそろ暗いし帰った方がいいよ」

「そうだね、帰る」

「じゃあ送ってくぜ」

「大丈夫」

「いや、だめだ。送っていくぜ。女の子が夜道にひとりなんて危険だから」

「いや、本当に大丈夫。寄りたいところがあるから、ひとりで行きたいの」

「そ、そうか。じゃあ玄関まで送ってく」

「うん」

なんか、寂しい気もするけど。明日が楽しみでしょうがない。今はリストカットとかしようとかも全然思わないし、死にたいとも思わない。
今は『生きたい』とさえ思ってる。
まさか、本当に鶴谷くんに助けられるとは思ってなかったな。
まさか、公園に行く日が来るなんて。それに、過去を人に打ち明ける日がくるなんてね。なんか、不思議な感覚に見舞われる。

「じゃあね、今日はありがとう」

「別に」

ガチャ

「廉、今の子」

「言わないでくれ」
< 27 / 82 >

この作品をシェア

pagetop