私を救ってくれたのは君でした。
「黙れ」

「フゥー!川鷺総長〜!」

「ぶっ殺すぞ」

「え?」

「それ以上鶴谷さん馬鹿にしたらぶっ殺す」

「な、なんでですか?」

「鶴谷さんはなぁ、すごい人なんだよ!知ってっか?お前らの前じゃいっつも無理してっけど、裏じゃお腹摩ったり、咳してんだ。このごろはその咳もひどいのに。そへを無理してんだ!心配はさせんと!それに、鶴谷さんは誰よりも男前だ。いっつも殺ってるとき俺らのことを守ってくれてる。ケガだけはさせないと」

「そ、そんなの」

「鶴谷さんはいつも無理してんだ。お前らみたいな現総長に反対しているものにも、優しくいてるだろ、知ってるんだよ鶴谷さんは。一部の人間に嫌われてることくらい。それでもお前らを何としてでも守った。
未成年がやることとはまるで違う。大人びている。鶴谷さん馬鹿にしたら、俺がぶっ殺す。鶴谷さんは許しても、俺は許さねぇからな」

「は、はい!すみません!」

「鶴谷さん。あなたはどれほど遠いんだ。あなたの足元にも及びませんよ、俺なんて」
< 30 / 82 >

この作品をシェア

pagetop