私を救ってくれたのは君でした。
かなり遅れて来た鶴谷くん。そのせいかな、いやちょっと違う気もするけど、気まずいまま、歩く、歩く、歩く。私は、鶴谷くんの後をついて行く。

「なぁ天宮」

鶴谷くんは前を向いたまま話しかける。

「なに?」

私は目線を上に上げる。後ろ姿もかっこいいな、鶴谷くん。ザ・不良総長って感じ。

「今日は遅れてごめんな」

「大丈夫」

鶴谷くんは後ろを向くことなく続ける。

「本当にごめん。一時間以上待たせたから。俺が今日は奢るよ」

「え、いいの?」

「おう」

「ありがとう!」
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