私を救ってくれたのは君でした。
デート
「着いたね」

私が鶴谷くんに話しかけると……

カシャッ

シャッター音が聞こえた。

「俺写真撮るの下手だな」

「ううん、十分綺麗だよ」

「ふっ、サンキューな」

鶴谷くんはそういうと店の中に入っていった。私は鶴谷くんのあとをついていった。

「これ美味そう」

「だね」

鶴谷くんは目を輝かせて言う。

「でも今日は、この特大パフェ食べるから」

「そっか」

鶴谷くんは、可愛い笑顔をチラチラとみせながら、私の方をみる。それがなんとも可愛らしい。不良総長とは思えないよ。

「じゃあ、私も食べよ」

「天宮は何にすんの?」

「これにする」

「うわ、それ美味そう」

鶴谷くんはかなりのスイーツ男子らしい。

「お待たせいたしました」

鶴谷くんの頼んだパフェが、鶴谷くんの前に置かれる。鶴谷くんは乙女のように笑っている。
でも、数分パフェを見つめると、スマホをいじりだした。

「あれ、食べないの?」

「おう、待つんだよお前のこと」

もう、本当に……なんでこんなに乙女心をくすぐるんだろう。
< 44 / 82 >

この作品をシェア

pagetop