私を救ってくれたのは君でした。
「うん。あ、雪希ちゃん!」

「は、はいっ……!」

「帰ったら連絡するね。今週末にでもお茶しに行こう」

「……はい!」

私は嬉しみを噛み締める。

「・・・」

ちっ、こいつ、この柏木って言うやつ、ふざけてんのか?俺のこと、馬鹿にしてんのか?まるで、天宮には手を出すな、みたいに言ってるようじゃねぇか。もうすぐ、俺のモノになるんだから、ってよ、言ってるようじゃんかよ。久々だぜ、俺に楯突くやつがいるとはよぉ。根性あんなぁ、あいつ。
俺はめいっぱい柏木を睨みつけて交番を出た。

「ほら鶴谷くん、行こ?」

「おう」

出ていく寸前に、柏木を鼻で笑った。これは、一種の威嚇、忠告だぜ?柏木さんよぉ。

「鶴谷廉…か……。あの子が、不良総長ねぇ。不良が、それも総長が、雪希ちゃんを変えられるとは思えないけど……いい目をしてたな、廉くん」

柏木さんは、ひとりでにクスクスと笑った。
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