私を救ってくれたのは君でした。
「鶴谷さん!」

アジトへ着くと、そこには川鷺さんがいた。

「よぉ川鷺」

「鶴谷さん、どうされたんですか?」

「ちょっと話したいんだ、天宮と」

「あ、はい!承知いたしました!」

川鷺さんが、海岸沿いへ連れてきてくれた。

「ここへは誰も来させないようにしますんで!ごゆっくり話しとって下さい!」

「おう、ありがとな」

「いえ!全然です!」

川鷺さんは一礼をすると去っていった。

「なぁ、天宮」

「な、なに?」

「不本意、不本意なんだがきいていいか?あのサツはなんだ?お前と友達なのか?」

「えっと、柏木さんのこと?」

「あぁ、そいつ」

「柏木さんは、私が……言いたくない、やっぱり、言いたくない」

思い出す度に、あの光景が蘇ってくる。あの、脳裏に焼き付いた、あの光景が……。せっかく忘れようとしていたのに、なんで、なんで、なんで……!

「頼む、話してくれ…!」

「い、いやっ!いやいや、いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!いやだぁ!」

「あ、天宮?!」
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