私を救ってくれたのは君でした。
「雪希ちゃん、あなたは良い方に巡り会えましたね」

川鷺さんは私に向かっていう。ニコッと笑うと、川鷺さんは鶴谷くんの方に向き返った。

「鶴谷さん。少し雪希ちゃんと話してもいいですか?」

「おん」

鶴谷くんは、両ポケットに手を突っ込んで工場の中へ入っていった。きっと、川鷺さんに気を利かせて向こうに行ってくれたんだろう。

「雪希ちゃん……」

なんだろう、少し威圧がある気がする。
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