私を救ってくれたのは君でした。

「そうなんですよね。あの、雪希ちゃん。鶴谷さんのためにも、死なないでください」

「！」

「鶴谷さんが言っていました。天宮は、死なせたくないって。もしあなたが鶴谷さんを傷つけたら、私はあなたを殺すかもしれません。だけど、あなたが傷つけられたら俺はあなたを助けます」

「ほ、ほぉ」

「人は、なにかを得るにはなにかを失わなくてはいけません、これはよくきく話だよね。幸せになるためには、なにを失うと思いますか？簡単にすると、より高いものを得るには、なにを失うと思う？」

「友達とか？愛とか？」

「ちげーよ。それ失ったら、俺は絶対幸せなんかなれねぇ。
幸せになるため失うもの、それはね、不幸とかの、自分を不幸せにするものだよ。雪希ちゃんは、幸せだと思うよ、鶴谷さんに会えたんだから」

「ですね」

「雪希ちゃん、鶴谷さんのためにも死なないでくれ、生きてくれ」

「……ごめんなさい。はい、とは言えないです」

「なんで……」