私を救ってくれたのは君でした。
「生きるのが、苦痛なんです。私にとって、生きるとは、ただの拷問なんです。生きるのが、怖い」
「……」
川鷺さんは黙って私のことをみつめる。
「明日も、どんな最悪な一日が待っているんだろう。明日はどんな不幸に会うんだろう。そう考えていると、どんどん怖くなっていく」
「それはっ、マイナス思考すぎないか?」
「過ぎないです。部屋から出るのも、鏡で自分を見るのも怖い。この世の中全てが怖かった。私は、なににも抗わない、抵抗しない偽善者ぶる人間なんです。昔から、弱いものは強いものに巻かれろ。波には抗うな。そう言われて育ちました。だからか、波にはのっているし、外れてもいないと思っていた。いい様に波にのっているものは、大半が誰にも優しい。偽善者ぶってる輩なんですよ」
「雪希ちゃん……」
「私は、私がなによりも一番の恐れていたもの、それは……嫌われることなんです。嫌われるのが怖かった。仲間外れにされるのが嫌だった。なによりも、怖い、怖い、怖い。孤独になるのが嫌だった。だから、いい子ちゃんぶって、偽善者装って、いい面して、優しくて、消極的な存在になった。だから、今までなにもなかった。けど、高校の春に私はカースト最上位の男子に目をつけられた。最初はぶつかったことがきっかけだった。けど、それが気に食わなかったのか、それから私はいじめられるようになった。そう、私が一番恐れていた事態だった。このままじゃ、嫌われる、そんなの嫌だ、怖かった。だから、やられるがままにされてきた」
「そんなの……!」
「わかってます。もうそれ以上は、言わないでください……!」
ポタポタと、涙が垂れる。
「……なぁ雪希ちゃん。君も、誤解してるよな。不良ってのは、怖いもんだって」
「……そうなんじゃないんですか?」
「違うよ。不良はみんながみんな酷いってわけじゃないんだ。例は、もちろん鶴谷さんだよ。それに、ここにいる奴ら全員」
「納得出来ますね」
「雪希ちゃんは軽い方だ。治れる。立ち直れるよ、雪希ちゃんなら」
「!……ありがとうございます」
「いや、別に俺は……」
「でも、ひとつ言ってもいいですか?」
「おう」
「……」
川鷺さんは黙って私のことをみつめる。
「明日も、どんな最悪な一日が待っているんだろう。明日はどんな不幸に会うんだろう。そう考えていると、どんどん怖くなっていく」
「それはっ、マイナス思考すぎないか?」
「過ぎないです。部屋から出るのも、鏡で自分を見るのも怖い。この世の中全てが怖かった。私は、なににも抗わない、抵抗しない偽善者ぶる人間なんです。昔から、弱いものは強いものに巻かれろ。波には抗うな。そう言われて育ちました。だからか、波にはのっているし、外れてもいないと思っていた。いい様に波にのっているものは、大半が誰にも優しい。偽善者ぶってる輩なんですよ」
「雪希ちゃん……」
「私は、私がなによりも一番の恐れていたもの、それは……嫌われることなんです。嫌われるのが怖かった。仲間外れにされるのが嫌だった。なによりも、怖い、怖い、怖い。孤独になるのが嫌だった。だから、いい子ちゃんぶって、偽善者装って、いい面して、優しくて、消極的な存在になった。だから、今までなにもなかった。けど、高校の春に私はカースト最上位の男子に目をつけられた。最初はぶつかったことがきっかけだった。けど、それが気に食わなかったのか、それから私はいじめられるようになった。そう、私が一番恐れていた事態だった。このままじゃ、嫌われる、そんなの嫌だ、怖かった。だから、やられるがままにされてきた」
「そんなの……!」
「わかってます。もうそれ以上は、言わないでください……!」
ポタポタと、涙が垂れる。
「……なぁ雪希ちゃん。君も、誤解してるよな。不良ってのは、怖いもんだって」
「……そうなんじゃないんですか?」
「違うよ。不良はみんながみんな酷いってわけじゃないんだ。例は、もちろん鶴谷さんだよ。それに、ここにいる奴ら全員」
「納得出来ますね」
「雪希ちゃんは軽い方だ。治れる。立ち直れるよ、雪希ちゃんなら」
「!……ありがとうございます」
「いや、別に俺は……」
「でも、ひとつ言ってもいいですか?」
「おう」