私を救ってくれたのは君でした。
ゲボッゲボッ

ゴホッゴホッ

ひとりの部屋に響く咳。

「どんどん悪くなってんな」

俺は喉をさする。

「やべ、クラクラしてきた」

俺はベットに倒れる。だが、なんとか意識を保とうと手足に力を入れる。時間は、8時15分。もう遅刻じゃねぇか。

「天宮……」

なんでこんな時にこいつの名前なんか。

ゲボッ

やべぇ、吐血した。手が血で真っ赤に染まる。あぁ、だめだ、どんどん意識が遠くなっていく。


「鶴谷くん」

来ないな……いや、来ると思ってたのかな。たまにしか授業に顔出さないのに。
そうだよ、いつものようにサボってるんだよね。でも、なんでこんなに嫌な予感がするんだろう。気の所為、だよね。
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