私を救ってくれたのは君でした。
帰り道
「なんか最近、明るくなったね」

「そうかな?」

「うん、来て雪希ちゃん」

この子はクラスの中心の子、白石綾。こんな子に話しかけられるなんて初めてだ。

「雪希ちゃん辛いことあったらなんでも言ってね!」

「うん」

「今日一緒に帰ろう!」

私は大きく頷いた。嬉しいな、こんなことがあるなんて。口角が上がるのを必死に抑えた。


「ゆーきちゃん!帰ろ!」

結局鶴谷くんは来なかった。

「ねぇねぇ、雪希ちゃんて鶴谷のこと好きなの?」

「えっ……」
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