私を救ってくれたのは君でした。
「いやよ!諦めなさい!出来ない、あなたには出来ない!」

私はポケットからスマホを取り出した。そして柏木さんを探す。
あった。私は急いでメーッセージを打つ。

『助けて』

あまりに急いでいたのでこれしかかけなかった。それに、意識が朦朧としているもので。

「あんた死にたいんでしょ?!だったら私が殺してあげるわ!」

「やだ、お母さん……!」

パリンッ

私を殴ると同時に、酒瓶が割れる音がした。
腕には切り傷、頭からも血が出て、足には痣、ところどころに切り傷が出来た。


ピロンッ

メールの着信音がなった。俺はそれも開いた。
雪希ちゃんではないか。どうしたのだろうか。俺はメーッセージをみてギョッとした。

『助けて』

俺は幸いまだ仕事についている。俺は急いで警官帽を被る。

「おい柏木!どこ行くんだ?!」

「ちょっと急用!」

雪希ちゃんはこの時間帯家だろう。だとしたら、なにか家であったのか?!殺人ならもうとっくに連絡が来ているはず。それでもないとなると…なんだ?携帯を打てる状況にあるが、あまり多くは言えない。いつも感情を表に出さない雪希ちゃんのことだから、余計に心配だ。
となると、なにか問題だろう。俺は一応警棒を手に持って交番を出た。
俺はチャリンコを精一杯とばして雪希ちゃんの家に向かった。
あの笑顔を、失いたくない……。
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