副社長は花嫁教育にご執心
「かなり固くなってるけど……やっぱり、少し怖いか?」
「怖く……はないです、けど。未知の体験に心の準備が追いついていないというか」
「大丈夫。愛があれば、心はちゃんと後からついてくるから。……俺を信じて、全部預けて?」
誠実な瞳にまっすぐ見つめられ、私も覚悟を決め小さく頷いた。彼の顔が近づき、ゆっくりまぶたを閉じれば、甘いキスの雨が降り注ぐ中、背中からそっとベッドに倒された。
優しく角度を変えながら繰り返されるキスが徐々に深くなって、静かな部屋に濡れた音が響く。
頭がぼうっとして、けれど確実に体の奥が熱を持ち始めるのがわかった。
「可愛い。……蕩けそう、つーかすでに蕩けてるって顔」
「だ、だって……灯也さんが、キス、上手だから」
「うれしいこと言ってくれるじゃん。そんなこと言われたら、もっとしたくなる」
「……ん、ぅ」
舌を吸われて、何度も絡ませてはまた離れて。
そんな、官能的なキスに酔いしれている間に、彼の手が私のニットの中に忍び込んだ。
大きな手に素肌を撫でられる感覚にぞくぞくして、思わず身を捩らせてしまう。