副社長は花嫁教育にご執心


優しく諭されて、私もようやく顔を上げた。

そうだ……何をひとりでいじけているんだろう。

次期社長って、きっと私には想像もつかないほどの重圧。灯也さんはそれに勇気をもって立ち向かうんだ。

それを支えてあげられるのは、妻である私。なのに私がウジウジしてたんじゃ、灯也さんだって頑張れないよ。

「そうですね……私も、そう思います。妻として全力で、灯也さんのこと応援したい」

「ありがとう。ホント、まつりの笑顔が俺のパワーの源だから、これからも一番そばで笑っててくれよな?」

「はいっ!」



お父さん、お母さん。私、ふたりが私にプレゼントしてくれたこの笑顔を、こんなにも愛してくれる人と、結婚しました。

どんなに時が経っても。私たちふたりを取り巻く環境が変わっても。

大好きな旦那様のそばに、いつもこの笑顔を咲かせてみせるって、誓います。






FIN


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