借りたモノ
2
「本子、本当にごめん!」
ファミレスのイスに座り頭を下げる私に、本子は気にしないでと優しく声をかけてくれる。
「弁償させて。」
「本当気にしないで、こうして返してくれたんだから。
確かに貸したときとは少し違うけど、私の本に変わりないんだから。
それに…私が同じことしたら紗良菜(サラナ)も私のこと許してくれるでしょ?」
優しい本子に私は申し訳なさげに「うん」と頷き、表情を緩めた。
10年前と比べるとかなり変わり果てた本に、本子は手を添え嬉しそうに微笑む。
「実はこれね、お父さんが買ってくれた本なの。」
「そうだったんだ…」
本子のお父さんは本子が大学生の時に病気で亡くなっている。
そんな大事な本を私は…
「おとーさんって?」
本子の横にちょこんと座る紗綾(サアヤ)ちゃんが首を傾げて聞いてくる。
可愛いな…
私の子供も生きていれば紗綾ちゃんと同じ歳になっていたはずなのに…
辛い過去だ。
そんな辛い時期にたまたま本子が連絡をくれて、私の支えになってくれた。
本子は紗綾ちゃんの頭を優しく撫でて微笑んでいた。
ファミレスのイスに座り頭を下げる私に、本子は気にしないでと優しく声をかけてくれる。
「弁償させて。」
「本当気にしないで、こうして返してくれたんだから。
確かに貸したときとは少し違うけど、私の本に変わりないんだから。
それに…私が同じことしたら紗良菜(サラナ)も私のこと許してくれるでしょ?」
優しい本子に私は申し訳なさげに「うん」と頷き、表情を緩めた。
10年前と比べるとかなり変わり果てた本に、本子は手を添え嬉しそうに微笑む。
「実はこれね、お父さんが買ってくれた本なの。」
「そうだったんだ…」
本子のお父さんは本子が大学生の時に病気で亡くなっている。
そんな大事な本を私は…
「おとーさんって?」
本子の横にちょこんと座る紗綾(サアヤ)ちゃんが首を傾げて聞いてくる。
可愛いな…
私の子供も生きていれば紗綾ちゃんと同じ歳になっていたはずなのに…
辛い過去だ。
そんな辛い時期にたまたま本子が連絡をくれて、私の支えになってくれた。
本子は紗綾ちゃんの頭を優しく撫でて微笑んでいた。