大好きな彼は超能天気ボーイ
うーん、校長先生の話が長い…
このパイプ椅子硬くて、かなり痛いかも…


そして、隣にいるのは功。


私の肩にもたれかかって、気持ち良さそうに寝ている。



その様子を見てヒソヒソ話す女子もいるけど、そんなのは慣れっこだ。



「功〜起きてよ。ほら、先生ずっとこっち見てるよ」



小声で話しかけるも功は絶対に起きない。

こちらをずっと見ている先生は、担任の先生の平井先生。


入学式初日から私まで先生に目をつけられてどうするんだよ〜〜!



そう功に訴えたいけど、やめといた。
でもしばらくして功が目を覚ました。



「ん、…寝てた。おはよ。梨乃。」



そう言ってみんなの前にもかかわらず、
大きく背伸びした功。



「おはよ。っじゃないよ。もう 功のばかっ
ほら、次在校生からのお話だって。」



「えっ 梨乃、怒ってる。」

功は心底驚いた顔をする。



「うん。梨乃は怒ってる。あ、寝癖ついてるよ。ほらピョーンって…ふふふっ」




そう言って功に手を伸ばす。相変わらず綺麗な髪だなあ。頭を撫でられて、功は少し嬉しそうにした。



「梨乃、もう怒ってない?」


「うん。もう怒ってない。」




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