大好きな彼は超能天気ボーイ
とは言え、とは言えですよ?

功は超能天気ボーイ。
私の要望など忘れてしまうのでは…?


それに、いざ正面に立つとなかなかそれが言えないんだ。


「梨乃、ハグ。」


「…。」


んー、やっぱり言いにくい。



「どうした?」


「ううん、何でもない。ほら、ぎゅっ」


功をからかうように力強く抱きしめる。
功の匂いだ〜!


「く、苦しい…」


そして次は脇腹をくすぐる。


「ふはっ…り、梨乃?くすぐったいよ。」


これはちょっと反応したな?
可愛い。



で、その後は功の胸に頬を預ける。


功は私にもたれかかるように頭をくっつけ、そのまま寝てしまう。


良くあるんだ。こういう事。
家だと特に。


カーテンから、綺麗な夕日と涼しい秋の風が吹き込む。


光が功の頬を照らし、風が功の髪を揺らす。


それが綺麗で。
やっぱり、いつまでたっても功は遠く感じれて。


好きなのに。両思いなのに、ちょっと孤独。


私はもう一度、腕の力を強めた。
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