大好きな彼は超能天気ボーイ
私が幼稚園の頃からの幼馴染だ。


私はフィリピンのハーフだし、

蘭馬は
3歳までマレーシアに住んでた。

共通点もあって打ち解けやすかったのかもしれない。


蘭馬は、

英語もある程度話せるし、
お姉さんが芸能界に入ってた人で、
それなりに整った顔。


こんなにも長い時間一緒にいるのに、蘭馬は遠い。


それは付き合ってからも変わらなかった。



どんどん遠くなっていく蘭馬。
その背中を追いかけて良いのかも分からなくって、わたしから振ってしまったんだ。



突き放す、冷たい言い方で。


それ以来、蘭馬と私は言葉を交わすことも
こうして今涙を拭ってもらう時まで無かった。



蘭馬と別れてから、私はいろんな男の人と遊ぶようになった。


年上も年下も告白されたらオッケーして、
関係を持ったらすぐ捨てられて。


来るもの拒まず、去る者追わず


でもそれを繰り返すたび、心にぽっかり穴が開く。


功くんも、そんな様な目的で。



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「で、何で泣いてんの?」


「ら、蘭馬には関係ない!
だから放っといてって言ってるじゃん!」



「やだ。」


腕を振り回すもあっという間に蘭馬の腕の中に引き込まれてしまう。


「ちょっ、何して…離してってば………!」



「大丈夫…大丈夫だから。」



「…?何言ってんの?
私のことなんか何にも知らないくせに!」


「大丈夫……大丈夫。」


「だから、さっきから何で大丈夫しか言わないの?離してよ!」



「大丈夫………泣きたい時に泣けば良い。
俺がいるから。」



「…え?」



「辛いんでしょ?
たしかに俺は何にも知らないよ?
でも…さ、ミリアは無理しがちなとこがあるから。それは知ってる。


だから、大丈夫…大丈夫。」




「蘭馬…っ あんたってほんとバカ!
どんだけ優しいの?私、酷いこと言ったんだよ?」



「そうかな?一応頭良いんだけど?
正直傷ついたけどさミリアが抱えてた事、
気づいてやれなかった俺も悪いし…」


「…知ってたの?私が悩んでた事。」



「後になってからだけどね。ごめんな。」


そう言って蘭馬は私の頭をポンと撫でる。
久しぶりのその広い手は、私の心を温めくすぐる。




「もう、蘭馬の…バカ。」



「また、俺のとこに戻ってきても良いよ?
そしたら、もう…


絶対に泣かせないからさ。」



すると蘭馬は私の頬にキスを落とした。

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