大好きな彼は超能天気ボーイ
休日。
今日は久々に功とお出掛けの約束をしている


いつもは全然着ないフリフリのスカートに、
いつもは絶対にしない巻き髪。
いつもは絶対履かないヒールの靴。



なんでこんなに張り切ってるか。

それはやっぱり功に良い印象を持ってもらいたいから。


でも、
この恋を成功させたいとか、
そんなことを願っているとは言い切れないんだ。


功のことが好き。


だけど、この先どうしたいのか分からない。




「功、今日は自分で起きれたんだ…。」

功とは家の前で待ち合わせ。
今日は晴れてて、とても良い日和だ。


「うん。今日は特別。」


特別

その言葉だけ、
強く感じとってしまう自分は
相当な勘違い者で…


「そっか。じゃあそろそろ行こっか!」

「うん。
今日珍しくおしゃれしてる。」



功は私を足先から頭まで一通り眺める。
なんか、不安になるではないか…


「うん。そうだよ?
あ、やっぱり似合わなかった?」


「ううん。似合ってる。
こういう梨乃の方が好き。かなり。」


そう言って私の髪に触れる。


「なっ…」

「あれ、照れてるの?」


功は私の顔を覗き込む。
それもかなり近い距離で。


「ちょっ、顔近い。
照れてるに決まってるでしょ?
顔真っ赤だから、あんま見んといて。」


「ふはっ」


功は私を見て笑った。

何がおかしいの?
こっちはかなり調子狂わされてるのに。


「そんなに面白い?」

「うん。梨乃のこと抱きしめたくなる。」

「は、はい?」

「だから梨乃、して良い?」


そう言って功は腕を広げる。
こうされたら私は、
その胸に飛び込むことしか選択肢は無くなってしまう。



えいっ



功の広い胸は
私をしっかり受け止めてくれる。


「あれ、功。身長伸びた?」

その腕の中で私は功に聞く。

「うん。178だってさ。」


「え、高い…
うらやましい…。」


「梨乃は、小さい。」


「いや、言われなくてもわかってるから。
いつものデリカシーはどこへ行ったの?」


「良いじゃん。その方が可愛い。
それに頭撫でる時にちょうど良いサイズ。」


そうして功は私の頭に手を置く。

私はすぐに照れてしまって俯くことしか
出来なかったけど、
その反面嬉しかったり。












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