大好きな彼は超能天気ボーイ
「功!何してるのっ早く下ろして!」


ジタバタ私は暴れる。

だって休み時間でみんな廊下にいて、
それを見られてるんだよ?


一部の女子はそれを見て何かヒソヒソと話す。

「あーもうじっとしといてよ。
ここに一人置いてっても、困るだけだろ?」


確かに……それもある意味公開処刑だけど…



「うう…は、はい。」


「だから少しの間我慢して。」



そう上から降ってくる優しい声に、
私の胸はさらに高鳴るんだ。



でも幼馴染だよ?なんか変な感覚だ。


男らしくなった功。
そう考えるだけで、
小っ恥ずかしくなるんだ。


私は顔を覆った。
これ以上功をまともに見られない気がして。


でも、好き。


ちょっぴり腰が抜けて良かったと思ってしまう自分がいる。



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教室に戻れば、
体操着の二人に何があった?
と心配してくれるクラスメイト。


そして功はスタスタと席へ戻ろうとする。

あっと思い、



「功待ってっ。」


勢いで彼の腕を掴んでしまった。


「何?どうした梨乃?」

「あっ…えっと…、
色々と、ありがとう!功がいたから、本当に助かった。」


そう言って功に笑いかけてみせる。



でも功は、
なぜかまともに目を見てくれない。


「うん。梨乃、可愛い。」


「なっ、話繋がってないよ。」


「うん、繋がってない。」


そう言いながら、功は私の頭を撫でる。


すると周りで女子たちの歓声が起こった。

あ、周りの目を忘れていつもの幼馴染モードに入ってしまっていた。


そんな事に気づく。


でも、
功はそんなのお構いなしに私を見てくれる。


それが嬉しかったり、
照れくさくなってしまうんだ。





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