大好きな彼は超能天気ボーイ
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体育祭まであと1週間となった。

9月はとても暑いので、
私たちの学校はこの時期にするのだ。


「だれか、応援団してくれない?」

平井先生は呆れてそういう。
だれも立候補しないのだ。



応援団は、
各クラス男女二人 × 三学年で構成される。
かなり少数なのだ。



「あーもう!だれか推薦でも良いから!」

先生は今にもキレそうにそういう。
流石に痺れを切らしたか。



「はい!
学級委員の二人に任せれば良いと思います!」


「は?」


クラスの誰かが、胸を張ってそういう。
いやいや、勝手に任せないでよー!!!


そう叫んでやりたいけど、
私はぐっと我慢だ。うん。我慢だ。

きっと誰かが、カバーしてくれr……


周りを見渡せば、

「良いね!高橋君の応援姿みて見たい!」

「帳さん絶対可愛いって!」

「きゃー!
高橋君の想像しただけで私幸せかも!」


なんて賛成の声ばかり。


「じゃあみんな賛成って感じだけど、
二人どうかしら?」


ふっと私は功に助けを求めようと隣を見る。


功は…
いつもの如くスヤスヤと寝息を立てて眠っている…


この、能天気め。


功をギロリと睨む。



「高橋さんは寝てるみたいね。
じゃあ梨乃さん、どうかしら?二人でやってみない?」


そこは一人一人別で聞かないんだ…

絶対先生、
功と私を幼馴染だからってひとまとめにしてる…



「えっと…そ、それは…。」


オブラートに包んで断ろうと、
言い訳を探る…


するとクラスの男子が…

「とーばーちゃん!とーばーちゃん!」

と手を叩き始める。




「え、!だからその!」


「とーばーちゃん!とーばーちゃん!」


くそ、便乗する奴ら…ゆ、許せぬ…



「も!もう!!やめて!」


「とーばーちゃん!とーばーちゃん!」


はあ?早苗まで……信じらんない!


「んーーっはい!!先生!私、やります!」





ついに、ついに言ってしまった。

功、…ごめん。


その瞬間パアッと騒ぎ出す教室。
先生も…飛び跳ねてる。……うん。


「ん、う、うるさい…」


功は流石に目を覚ましたみたいで。
目をこすっている。

って遅いよー!この能天気野郎!



「功!ごめん!
応援団に…なっちゃいました。」


「え?梨乃が?じゃあ僕もやる。」

予想と反して返ってきたその答え。

「え?良いの?
功、既に功に決まってるの。」


「へえ。だから謝ってたのか。
梨乃、ハグしてくれたら僕やるよ。」


「本当に!分かった!じゃあ後でね。」


良かった!
特になんとも思ってないみたいだし、
功のハグ付きだ!



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