大好きな彼は超能天気ボーイ
バスの中、特に話す内容も無かったため、
私はある提案をする。


いや、今朝の事が嬉しすぎて、少しテンションが上がっていたのが原因。



「ね、功。
どっちがお互いの事知ってるかゲームしない?」

「何それ。題名長い。」


「お互いの事をクイズにするの。
幼なじみだから、何でも知ってるでしょ?」


「はあ…まあじゃ、しよっか。
問題…僕の好きな食べ物は?」


そう言って渋々私のわがままを聞いてくれる功は、案外優しかったりする。


「あ、これ分かる。肉じゃがでしょ?」


「うん。さすが梨乃。」


「じゃあ問題!私が好きな色は?」


「バーガンディだったっけ?」


「す、すごい…」


やっぱ知ってるもんだね。
私たちの仲は、そんな簡単に崩れないような気がする。


もし私が功に告白して、振られても、
それは変わらないような気がするんだ。


今日も功の腕に捕まってバスの揺れに備える。

功がいれば、
このバスもキラキラして見える。

かなりの重症だね。
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